ホームヘルパーとは?または制度改正後の介護の資格についてご紹介します。

介護保険でのヘルパーの訪問介護では受けられないサービス・郡山シルバー人材事業

ホームヘルパーとは:概要

ホームヘルパー・訪問介護員とは?

ホームヘルパーは高齢者や心身障害者など、在宅で暮らすには不自由がある人をサポートする仕事です。
基本的に、介護を必要とする方のご家庭を訪問し、身体介護(食事、排泄、入浴介助など)、家事援助(掃除、洗濯など)、複合援助(身体介護、家事援助の混合)などを行いますが、ホームヘルパーはあくまで介護が主であり、医療行為は行うことはできません。

ホームヘルパーになるには・・・
自治体(都道府県)が認定する資格を取得する必要があります。1~3級まであり、厚生労働省の指導に沿って行われている養成講習を受講後、研修課程を修了すると取得できる資格でした。

しかし介護の現場では・・・
「ホームヘルパー」「介護職員基礎研修」「介護福祉士」の3つの資格が混在している状態でした。また、ホームヘルパーから介護福祉士へのキャリアアップを目指そうにも養成体系が複雑で十分な仕組みがなく、進むべきルート(キャリアパス)がわかりづらい状況でした。
そんな状況を変えようと、改正年は別々ですが今は以下のように改正されています。

  • ・ホームヘルパー3級は廃止になりました。
  • ・ホームヘルパー2級は介護職員初任者研修課程に改正
  • ・ホームヘルパー1級・・・実務者研修課程に改正

ホームヘルパー3級とは?(平成21年に廃止)

ホームヘルパーの入門編である3級は、50時間の決められた講習を受けると認定されます。
ホームヘルパー3級の講習内容は、座学での講義が25時間、実技講習が17時間、在宅サービス提供の現場を見学する実習8時間の計50時間となっています。

しかし、平成21(2009)年3月末で、1年以内にヘルパー2級以上の資格を取得する予定の3級ヘルパー以外は、介護報酬が支払われなくなったという背景があり、ホームヘルパー3級の講習を実施する事業者や学校はほとんどありません。
つまり、訪問介護をするホームヘルパーとして働く場合、2級以上の資格を持っていることが必要となったのです。

ホームヘルパー2級とは:介護職員初任者研修へ変更

ホームヘルパー2級とは、介護の現場では「最低限の資格」「介護の入り口の資格」とされていますが、受講すれば誰でも取得出来る資格という見方をされることが多いのも事実です。

ホームヘルパー2級の講習内容は、講義58時間、実技講習42時間、施設での介護実習など、施設や訪問介護事業所での実習が30時間の計130時間です。3級の倍以上の講習を受けることになります。

しかし、平成13年4月以降には、ホームヘルパー2級は廃止され、新たに「介護職員初任者研修」というものに変更になりました。
「介護職員初任者研修」とは、在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を修得するための研修になります。従来のヘルパー2級に代わる資格ですが、ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の養成内容は、大幅に変更されています。

まずはホームヘルパー2級では、講習を受ければ試験などなく、だれでも取得できる資格だったのに対し、介護職員初任者研修では、全課程修了後の筆記試験が必須となりました。

従来のホームヘルパー2級の資格を持っていれば、新制度になってもそのまま「初任者研修」の修了者として通用します。ですから、2012年後半は、ホームヘルパー2級廃止になり「介護職員初任者研修」制度になってしまう前に、ヘルパー2級を受講しようとする方が急増したそうです。

ホームヘルパー1級とは:実務者研修へ一本化

従来のホームヘルパー1級は、2級修了後、1年以上介護の現場で実務経験者が受講できる講座でした。
(自治体により、実務経験なしでも受講可能なところもありましたが)

ホームヘルパー1級の資格での仕事内容は、ヘルパー業務のより深い知識や技術やヘルパーをとりまとめる主任ヘルパーとしてのチームリーダー的な動きを学べます。

講習は、講義が84時間、実技講習が62時間、実習が84時間の計230時間。内容も、ケアマネジメントへの理解やケースカンファレンスの行い方、介護技術を理解、実践するだけでなく、指導する方法についても学べつという深くて密度が濃いものです。

1級ヘルパーの講習を修了すると、在宅介護の現場でサービスを提供するヘルパーではなく、利用者の意向を確認して、訪問介護計画を立てたり、登録ヘルパーのマネジメントを行う、サービス提供責任者として採用されるケースが多くなります。雇用形態も正社員や常勤が多くなり、給与もアップします。

しかし、2006年度からホームヘルパー1級より資格が高いとされる『介護職員基礎研修』が開始されたことに伴い、訪問介護員の1級課程は2012年をめどに『介護職員基礎研修』への統合が計画されていました。
しかし、『介護職員基礎研修』も廃止されることになり、ホームヘルパー1級も廃止されることになりました。それらは、『実務者研修』へ一本化されています。

「実務者研修」とは、幅広い利用者に対する基本的な介護提供能力の修得に加え、医療的ケアに関する知識及び技能の習得を目的とした研修のこと。実務では習得しにくい体系的な医学知識、制度の知識、介護過程の展開、認知症などについて学ぶことができ、スキルアップにもなります。

また、この研修を修了することにより、2012年度より医療行為である「喀痰吸引」が介護職員でも実施できるようになりました。(ただし『実地研修』を修了することが必要です。)

※2012年度までにホームヘルパー2級、1級及び介護職員基礎研修課程を修了した方は、2013年度以降に資格を失効する事はありません。

ホームヘルパー(介護職員初任者研修)は出発点

介護の業界は、「資格商売」的な面が否めないのは確かです。
もっとも資格だけでちやほやされることもあり得ない、大変厳しい業界でもあります。
この厳しさは、「人の命を預かる仕事である」からに他ならず、従来のホームヘルパー2級、1級に相当する『介護職員初任者研修』『実務者研修』を取得されたなら、それが到達点ではなく「介護福祉士等」の上級資格を目指し、介護の世界のプロになるための出発点であることを念頭においていただきたいです。

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